コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 個人情報保護法案2008. 3.28

これほど怪しげな法案は、考えれば考えるほど無いと思うけれど、「個人の情報を守る」為という意図でできたものではなさそうな印象がある。
少なくとも一般庶民の為のものではない気がする。

大学時代に或る有名な政治家の息子が同級生にいて、電話番号をナカナカ教えてくれなかっただけではなく、しょっちゅう番号を変えたりして、有名人の息子とは大変なんだろうなあと思ったものだ。
こういう場合、電話番号という個人情報は守る必要があろう。

何かしら人に知られたくない秘密なんか持っていて、それを世間に知られたら、とてもマズイ事態になる人と言うのは、世の中にはいっぱいいるのであろうけれど、殆どの人々は知られてマズイ個人情報などないのが常態ではないだろうか。

チョット昔では、こちらでも田舎の部落などに行くと、家に鍵などかけてなくて、隣近所の夫婦喧嘩や、子供の悪さまで村中で知っていたりして、また金品が盗まれたりしても、部落の殆どの人は誰が犯人か知っていたりして、盗んだ方も盗まれた方も黙認しているけれど、妙にぎこちない付き合いをしている・・・。
なんて話も聞くと日本のムラ社会ののどかさと、濃密ながら微妙な人間関係がうかがい知れて興味深い。

こういう集団でも、奥さんの「ヘソクリ」とか夫の「女遊び」みたいなものがせいぜいの守るべき個人情報に違いない。

一方、富俗層の人々には守るべき秘密と言うのがいっぱいあるのではないだろうか。

ヨーロッパ、特にイタリアなどでは、富俗層の人々はそれに属している事も隠すそうだ。
本人も家族も誘拐のターゲットにされてしまうからだ。
ドロボーにも入られる心配がある。
今は電子マネーではないけれど銀行の口座も映画で見るとカンタンなネット上の操作で引き出されてしまうらしい。
有価証券とか現金とか、金の「ノベ棒」とか、ダイヤモンドとかの換金性の高い宝石や絵画や美術品なども保管に困るほどであるから、その管理には神経を使うであろう。

お金持ちも大変だ。
そもそも「個人情報保護法」などというものも、EU諸国からの圧力でつくられたらしい。
さもありなんである。

戦争を何度も体験してきた流浪の民ユダヤ人をはじめ、ヨーロッパ王室や、多国籍企業の経営陣の人々など莫大な資産を保有する一部の人々にとって、秘密とか個人情報とかは、その生活の中で抜き差しならないほど大切な守るべき情報であるに違いない。

イギリス王室の一大スキャンダルである、ダイアナ元妃の事故死事件は、当時公然の「お付き合い」をしていた武器商人の一族の息子ドディ・アルファイドが同乗したベンツで、パリ市内のトンネルの中で起こったものだが、イギリスお得意の謀殺ではなかったのかと言う疑いは今でも晴れてない。ダイアナ妃の妊娠説もあり異教徒との間の出産などもっての外というような、とても生ぐさいドロドロした背景も噂されたりしていて、ますます痛ましい。

アルファイドの親父さんの所有であった王室御用達デパート「ハロッズ」はこの事件以降、イギリス王室の旗を降ろしたままである。

007、ジェームス・ボンドも“秘密”情報部員つまりスパイである。
外国人も含め、日本人もVIPの健康状態なども極秘の個人情報であるらしい。
ヤバイ国になると、中には替え玉もいると聞く。

セレブとか著名人とか、有名人とか大金持ちとか、社交界に列する人というのは或る意味とてもお気の毒だ。
守らなければならないものがいっぱいある。
秘密にしなければならないことがいっぱいある。
心を許す人も、ごく身内の人とかごくごく親しい弁護士とかではないだろうか。
それでも「裏切り」という可能性をいつも胸の内に持ちながら・・・。

私達の住んでいるような九州の山の中の農村の部落みたいにはいかないのだろう。
こちらでは、今では家にはさすがに鍵をかけるかも知れないが、監視カメラとか秘密工作員とか、怪しいジャーナリストがカメラを構えて潜んでいるということは殆ど無いであろう。

私にも秘密の個人情報はある。
あるけれども、法に触れるものはない筈だ。
人に知られたくない暗い過去であるとか、悪い遺伝子みたいなものはあるかも知れないが、今さらバレても怖くはない。

自慢ではないけれど、プライバシーも、お掃除のオバサンからどんな業種の職員の人々まで、スミからスミまで私以上に私のことを知っているようだ。
パブリックならもっとガラス張りで、医者であるので、収入も支出もまるで見え見え。
不正請求とか脱税とか昔の開業医ならイザ知らず、今の当法人グループでは全く不可能であろう。
医療請求事務は外注、アウトソーシングでお金についてはその殆どを他人が扱っている。
そんなシステムをつくっているので公私ともに誠に気楽である。

当法人グループでも、トップの個人情報などと言うものは存在し得ないけれど、ひとつだけ守るべき個人情報がある。
それはアタマの中の妄想である。
われながらアタマの中は、何かしらのインモラルな良からぬ妄想だらけである。
キリスト教徒であれば、これも罪悪だそうなので、毎日懺悔して悔い改めなければならないかも知れない。

追記【1】
本当に隠すべき価値のある個人情報というものが、一般の個人に果たしてあるのであろうか?私たちは社会という共同体の中で生きている。スムーズなコミュニケーションのためには、お互いに良く知り合う必要がある。情緒的心情的に守るべきプライバシーは侵してはならないが、それは最小限にとどめておいた方が気楽ではないだろうか?昨今は何から何まで「個人情報だから」と言って秘密にする傾向があって、少々喜劇的である。
また、個人情報保護という美名のもとに、個人対個人の情報を意図的に制限して、個人情報を集積できる一部の組織、たとえば金融機関とか、ネット販売業者とか、政府、自治体とかがその情報を悪用するためにこの法律を作ったのではないかとさえ邪推している。つまり個人情報の集積者が人々の操作について簡単に有利な立場に立てると言う意味で・・・。
刑務所などでは、受刑者同士のあいだでは、住所とか出身地とか職業とかの情報交換は禁じられているそうだ。理由は再犯の防止とも受け取れるが、管理しやすいという側面もあるようだ。
そんな感じに印象をもたされる「個人情報保護法案」である。

追記【2】
個人情報も全く公開できないわけではなくて
マスコミ
研究者、研究機関
著述業
などなどは「可」だそうな。
私たちのプライバシー保護、特にメディアでの情報公開抑止と言う意味は、どうもなさそうである。
ありがとうございました

たくま癒やしの杜クリニック
M田朋久


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