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■ 春のエチュード | 2008. 3.17 |
今年は桜の開花の兆しは、ここ九州でもまだ見られない。 まだ梅の花盛り。 白いつぶらな花びらが、棘しい梅の木枝にまぶされて、チラチラとまだ冷たい春風に揺られている。 春には、うつ病が悪化する。 恐らく人間も発情期とかがあって、春とか秋とかは性ホルモンの分泌が亢進し、その為に異性を求めるエネルギーが高まって、その対象の状態の如何にかかうわらず、それ(愛)を得られない結果、苦しい気分になるのではないか。 つまり、仏教的に表現すれば求不得苦(欲したものが得られない苦しみ)の為に気分が落ち込むのではないかと仮説している。 エチュードとは、絵画・彫刻の習作、ピアノの練習曲のことである。 練習のことを指すから、春にはピッタリだ。 人間の性的な個人史では、春といえば「思春期」というのを想起するが、まさしく春を想う人生の大事な「季節」だ。 春とはいかなるものか。 その表現のイメージは、 @のどかさ:陽光、暖かくうららかな A生命の芽吹き:花が咲き、緑が芽吹く B新鮮:新入学、新しい門出、入社、卒業 C青年、盛年:盛時の象徴、元気さの表れ D性:売春、買春とか表現する これは国語辞典から拾ったものであるが、秋とか冬にくらべ重い、寂しいイメージではない。 明るくのどかで、暖かく元気やエネルギーに満ちている。 しかし悩ましい。 思春期そのものだ。 心理的にみると、「悩ましい」のだ。 元気エネルギーが余ってくるとさらに苦しくなる。 東洋医学では、春はゆったりとした服装をし、髪をほどき、駘蕩(広くのびのびしているさま)としていることだそうだ。 まさしく春風駘蕩。 のどかに元気に、春(恋)を思えば、少し悩ましいかもしれないけれど、春の喜びを少しは味わえるかもしれない。 個人的には春は大好きだ。 苦手な人も多いけれど、大概春に生まれた人は苦手なようだ。 「生まれてくる」というのは苦しいことかも知れない。 何しろ泣きながら生まれてくる。 笑顔で生まれる赤ちゃんなんていないのだ。 生命の息吹というのは、その中に必ず何らかの苦しみや悩ましさを孕んでいるようだ。 春のエチュード(練習曲)なら一念発起、何か自分の為の勉強か仕事か恋か、何かしらの工夫をされることをお勧めする。 何かを始めるには、春はとても良い時期だからだ。 ありがとうございました 追記@ 「冬のソナタ」という韓国ドラマが数年前に大流行したが、ソナタも音楽用語で、3〜4楽章の比較的長い曲で「奏でる」という語源を持っているそうだ。 「冬のソナタ」というドラマはそのロマンチックなタイトルに似合わず、ドロドロした人間関係、特に家族関係・男女関係を背景に一筋の白銀の糸のように続いていく一組の男女のプラトニックな純愛物語を描いて、その上「ソナタ」というくらいで、とても美しいメロディアスな音楽が物語の情感を盛り上げていて、興業的には大成功した作品だ。 韓流ドラマのブームの火付け役にもなっている。 追記A 春風をもって人に接し、秋霜をもって自らに処す。 なんて言葉もありますが、春は優しく暖かく、秋は厳しく冷たい意味なら秋は可哀想ですね。 たくま癒やしの杜クリニック M田朋久 |