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■ 軽蔑 | 2008. 1.31 |
マルコム・グラッドウェルというアメリカ人の研究で、男女二人の会話の様子を観察して、いくつかのポイントをチェックすると、将来うまくいくか、別れてしまうか、ほぼ完璧に予測できるらしい。 それは、そのカップルの間に「軽蔑」という感情があるかどうかだそうである。 どちらか一方にその感情を示す仕草、表情、言葉が表出されることが多くあれば、ほぼ確実にその二人は別れてしまうらしい。 逆に考えると、この感情をされなければうまくいくと言える。ただし、お互いに尊敬の念、崇拝の気持ちがあれば、うまくいくかと言えば、そうとは限らない。 尊敬が一転して軽蔑に変わることはざらにあるし、強い尊敬、崇拝などチョット間違えば、一挙に容易に軽蔑に転じる。 要するに「軽蔑が無い」ことが大事なのだ。 ちなみにうまくいくカップルの場合、「うなづく」とか「ハイ」とかの返事とかのように、相手を肯定し、受容する「態度」が多く見られるそうだ。 何となく、納得させられますネ。 そういう睦まじい夫婦や男女のほのぼのとしたやりとりが目に浮かびます。 人間関係の技術としてこのことを捉えても、 第1に軽蔑の態度や感情がなく、 第2に相手を受容、肯定する言動、態度 を身につければ、良好で親密な関係を長く保ちつづけられるかも知れない。 余談であるが、このマルコム・グラッドウェル氏の著書によれば、救急の患者の対応で、特に心筋梗塞の診断の的中精度について、ある高名な米国人の医師のまとめた研究で、 いくらかの診断マニュアルをつくって、その基準に従う方が、なんと心筋梗塞の専門医の診断的中精度よりも高い的中率だそうである。 これは、人間の「思い込み」というものの危険性を示す為のひとつの示唆であるが、このマルコム・グラッドウェル著書の命題、つまり常識に隠された「思い込み」という誤解の解説とも言える。 この著書は米国でベストセラーとなった。残念ながら、著書の名前は忘れた。 手持ちの本をあさってみたが、見つからなかった。 記憶を頼りに書いている。 もうひとつ余談であるが、この研究調査が行われたのは救急病院は、シカゴにあるクック・カウンティ病院であるが、これはハリソン・フォード主演の「逃亡者」という映画の舞台にもなり、また、テレビ人気ドラマ「E・R」のモデルにもなったそうである。 つまり、有名な病院ということである。 もうひとつの余談であるが、この研究をしたドクターは、哲学科、神学科の大学を出て、医師の資格を取った臨床医で、「モノを自分のアタマで考える」という習慣を身につけていて、謂わゆる「医者の思い込み」を疑ってかかり、その診断法についてのいくつかの基準をつくったという意味で、その功績は大きいと思える。 ありがとうございました。 たくま癒やしの杜クリニック 浜田朋久 |