[戻る] |
■ 千の風になって | 2007.10.30 |
過去派、未来派、現在派、という風に人の心に分類されるとすれば、過去派の中で否定的なことばかり思い出す人は、恨みつらみ、憎しみ、後悔の虜となるでだろうし、肯定的な出来事をよく思い出す人は、殆んどその心は感謝でいっぱいになるであろう。 未来派の中で、否定的な想像ばかりをする人は、心配、不安で心がいっぱいで、寝ても覚めても心の落ち着くことはないであろう。一方肯定的な想像をする人は、夢想し、妄想し、謂わゆる楽天的、もっと言えばノーテンキな人物を思い浮かべることができる。 現在派という人がいるとすれば、今が良ければそれで良い、というような刹那的な、その日その日楽しければ良いみたいな人であろう。 一般的には、自己啓発書、成功哲学書などを紐といて、まとめて極言すれば、殆んど肯定的思考を選択するのが良いとされているので −【1】 −−−−−−−−−−−−−− 過去は感謝 未来は楽天 現在は、うれしい、たのしい、しあわせ −−−−−−−−−−−−−−−−− ということになる。 ところが、多くの人は、だいたいこの真逆であるのは何故であろうか? それは、やはり、意識の問題であり、習慣の問題であろうと思う。 世の中に、忘恩の人は多い。人間の不徳はだいたいここから始まる。 「徳というもの」というフランスの書物の冒頭には、忘恩の人に感謝を求めず、自らも決して忘恩の人にはならないよう勧めてある。 先に述べたように、「感謝の心」は殆んどあらゆる幸運、幸福を生み出す絶大な力があるので、賢明な人であれば、意識して習慣づけているようだ。 そういう意味で、「ありがとう」の言葉はとても便利である。 ただ口走るだけ、口の中で呟くだけでも気持ちが良いし、自分も周囲も幸せにする。 頑なな心の持ち主には、殆んどこの「感謝の心」が見られないか、極めて乏しい。 その結果として、滅多に幸運、幸福に恵まれないし、たとえ恵まれていても気づかない。 お腹が空いてタマラナイのに、ポケットに100万円の小切手が入っていて、持ち主が気づかない・・・。というような状態に似ていて、それこそ宝の持ち腐れよりも深刻な事態となっている。 周囲の人々が知っていて、本人が気づかない、ということも起こる。或る意味、滑稽である。 否定的思考と言えば − 【2】 −−−−−−−−−−−−−− 過去は後悔とか怨恨 未来は心配と不安 現在は、辛く、苦しく、不幸 −−−−−−−−−−−−−−−−− ということになる。 一部の賢人たちは、深い洞療と知識と経験からこのことに気づき、極めて自然に【1】を選択し、あらゆる幸運と幸福を勝ち取る。 少しの努力だけで・・・。 一般的には、このような知識を一度知っても、だいたいすぐ忘れる。 概ね、1000回くらい言わなければならない。 1000回というと、毎日言いつづけて、3年くらいかかる。 「石の上にも三年」 6・3・3制とうい学校教育制度も、こういう理由なら少し理解できる。 千の風にのって 千と千尋の物語 千という数字には何かしら意味があるのかも知れない。 斉藤一人という長者番付の常連者もこのことを述べておられた。 追記【1】 千と言えば、昔、千昌夫という歌手がいて(今もいるけれど・・・)不動産を買い漁り、バブルの時にはじけて借金王になってしまった。多分千回で忘れてしまったのであろう。 「糟糠の妻は堂より下ろさず」(一緒に苦労した妻は追い出してはイケナイ) あげまんの「千」パード(シェパード)夫人と離婚してからおかしくなった。 感謝の心を忘れない、というのには、少し努力がいるのだ。 追記【2】 感謝する相手をまちがえるということもよくある。 一番ひどい目にあった人間を崇拝し、尊敬し、感謝する、なんていう悲惨な例もある。 新興宗教とか良からぬ団体に所属しているか、上手に騙されている人々。警察につかまるかしても分からず、死んでも分からない。誠にお気の毒だ。 追記【3】 まず最も身近な人に、感謝しなければならない。 それは、まず自分自身だ。クールに「全き自己中心」で周囲を見まわすと、意外な人が感謝すべき対象だったりする。 世間の付き合いとか、友人もどき、悪辣な他人のみならずタチノ悪い身内親族兄弟というパターンもあって結構ヤヤコシイ。そういう人々から自分を救ってくれるのが、真の意味のパートナーだ。この選択は意外に難しい。 他者にそれを求めるなら、 こう自問してみると良い。 「イザという時に、自分を助けてくれるのは一体誰なんだろう?」と。 私の場合、幸か不幸かそれは常に親だった。もう親はいない。 だからいつも、自分に感謝しているし、墓参りにも行く。 そして、親がしてきたように、家族の為に祈る。従業員の人々の為に祈る。患者さんの為に祈る。平和を願って祈る。 これはウソではない。最終的本質的に、自分の為ということを知っているから・・・。 読んでくださって、ありがとうございました。 たくま癒やしの杜クリニック 浜田朋久 |