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■ 暗黒大陸 | 2007.10.13 |
レオナルド・ディカプリオの映画「ブラッド・ダイヤモンド」という作品は、元気になった。 初めての海外旅行が、東アフリカの「大陸の角」、エチオピアのさらに北東部、紅海に面した砂漠、岩だらけの殆ど無資源の、世界でも最貧国の1つソマリアという国だった。 件の映画の舞台は、西アフリカの「シエラレオネ」という舌を噛みそうな日本人には殆ど親しみのない小さな国であるが、ダイヤモンドという世界中流通している宝石の原石の産地としての商業的価値の為に、国が滅茶苦茶になっていくサマと背景が描かれている。 主人公のディカプリオ扮する、アフリカーナ(アフリカ生まれの白人、多分オランダ人)で傭兵(職業としてお金で雇われるプロの軍人)上がりの、ダイヤの密輸商人という設定の、国際的スケールの冒険物語。ロードムービーとも言える。 ジャーナリストとかNGOとかユニセフとかワケの分からない出自の美貌の女性記者との恋愛を絡めて、政治と陰惨な暴力と金銭欲と人間のドロドロした欲望の世界を、リアルに描いてあって、ナカナカの秀作であった。 自慢ではないが、1回行ったきりだけれど、アフリカの貧しい国々の情景が、自分も乗った日本製のバス等色も型、全く同じだし、現地のNGOやユニセフ等、国際ボランティア組織の雰囲気も殆ど同じで、戦闘シーン以外は「見て来たとおり」でとても懐かしい気分にさせられた。美貌のワシントンポストの女性記者までいて、「なんでこんなところに・・みたいな」・・。 あるかないか分からない、数十億の価値と思われる、ピンク色がかった100カラットのダイヤの原石でたった1個の数センチサイズの石コロを求めて、ジャングルを、紛争のさなかを、草原を疾駆するデカピーちゃんが、無精ヒゲをたくわえて、逞しく冷酷で有能な戦闘能力と野心と執念と交渉力と粘り強さを武器に、ケダモノのような荒くれ男たちと戦いながら、紛争の真っ只中で、目的のダイヤモンドを手に入れるが・・・。 アフリカは未だ暗黒大陸なのだ。 世界の最貧国は、今も赤道直下の砂漠地帯に集中している。 死をも恐れぬ物凄いレベルの勇気だ。部下の飛行機パイロットと元傭兵のボスの大佐とのコネクションを巧みに利用して、目的を達成しようとする。 愛する女性の慰留も振り切って・・・。 この主人公を駆り立てるものは一体何だったのか。 父と母を殺されたた、天涯孤独の若者。傭兵としての存在価値も失った青年の唯一の生きる原動力はダイヤモンドしかなかったのであろう。 ブラッドダイヤモンド。 多くの人々の血であがなわれたダイヤモンド。 愛する女性の為に贈られるロマンチックな指輪の生い立ちが、多くの悲惨で残忍な暴力と死を犠牲によって、流通していることを思うと、宝石店が少しばかりおぞましく感じられる。 このような背景の中で、ダイヤ商。ベルギー人は、かなりのアフリカ人の腕を切り落としたそうだ。 一時期、ベルギーダイヤなんてゴージャスな響きが合ったけれど、この映画を見た後は、どうにも何かしらの嫌悪感を感じずにはいられない。 ありがとうございました。 追記【1】 ディカプリオが結構カッコ良かった。 演じる主人公の困難をものともしない勇気、執念、行動力、彼にくらべたら、今の日本の生活等、老いも若きも、富者も貧者も、まるで寝呆けて死んだような隠居老人。 「生々しく生きる」 「生命がけで目的を達成する」その勇気を、この作品から得た。 たくま癒やしの杜クリニック 浜田朋久 |