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■ 秋の憂鬱 | 2007. 9.27 |
今はそうでもないが、昔30代、40代頃は、朝早く目覚めると「死にたく」なるくらい憂鬱になっていた。 特に、酒を飲んだ翌朝がそうだ。 すべての過去の出来事が、忌まわしく重苦しい後悔の対象で、未来には希望も無く、現在の仕事は辛く苦しい・・・、 そんな感じである。しばらくすると自然に治まるのであるが、結構辛かった。 こういう症状が長期に続くのをうつ病というなら、ホントに辛いであろう。 幸い、私は医者であるので、時々薬を飲んで解決していたようだし、以下に述べるいくつかの理由で、充分「うつ病」になる素質と生いたちではあったが、本格的になったことはない。 ここ10年近くこの症状は出現していないけれど、秋になると微かにそんな予しを仄かに感じる時がある。 日照時間の短縮や、夏休みも終わり、どこかしら寂しげな海水浴場の出店の後や、人通りの減った地方のアーケード、商店街などを通ると、いかにも秋らしく侘しい。 枯れ葉が街路に散っていたりして、益々モノ悲しい秋の情趣を増幅させる。 しかし、秋の夕暮れは本当に美しい。 青々とした夕闇の底には、チラチラと街の灯がキラメキ、地平には灰色がかったオレンジ色やピンク色やらに彩られた雲々。 これらのすべては少しずつ深まりゆく秋の気配のように美しい濃青色の空気に染められている。 精神的に救ってくれたのは、バスケットボールとオートバイと本だ。 すべて「B」がつくので、3Bなんて人には冗談めかして言っている。 バイク、ブック、バスケット、なんてネ。 特にバスケットボールは春から秋まで、県のリーグの試合があるので、練習に夢中で色々な考え事を一気に吹き飛ばしてくれる。考えてみると、中学から高校時代と同じだ。 バスケットの為に学校に行き、バスケットを楽しみに仕事をする。 昔は苦手だった往診の時は、バスケットの事を考えて、何とかその苦しみを耐えた。 今は何故か、仕事そのものが、昔のバスケットのように楽しい。 毎日、試合。毎日、練習。 負ける時もあり、うまくいかない時もある。 それでも、楽しい。 野球選手のストレスとはくらべられないけれど、それでも毎日真剣勝負だ。 私の鬱にならないコツは 【1】酒を飲み過ぎない 【2】スポーツその他の趣味 【3】瞑想 【4】少食 【5】くすり 【6】睡眠 【1】はアルコール性うつ病なんてあるくらいで、あまり飲み過ぎると鬱になることがある。モチロン個人差もあるが、時に悪循環を生む。 【2】は思考を飛ばしてくれる。気分転換には一番良い気がする。 【3】は少し難しいけれど、キチンと正しく実行すると効果は確実にある。 【4】は欲望の根源である。食欲を節することで、「生きる欲求」を温存してくれる。 【5】は上手に使えば、これ程、有難いものは無い。便利で確実である。 【6】は結構、瞑想と同じく集中力と練習がいる。 それでも、なる時はどうするか・・・。 【7】病院に行く。 これも確実に効果がある。良い医者。相性の良い医者に出会えたら、最高だろうと思う。 そういう医者になりたい。 ありがとうございました。 追記【1】 約3年ぶりにバスケットボールの中学生の試合を観戦する機会があり、いくつかの感情を味わった。 1)懐旧。これは心地良い。 2)悲哀。もうそれをする程の、体力を失った。 3)自尊心。結構活躍した。 4)屈辱。上手な人がいっぱいいて、どうしても勝てなかった。勝てない。 強い体力、持久力と素晴らしい運動神経を要するスポーツらしい。 私には無かった。 何でも悲喜こもごもである。 追記【2】 秋は、睡眠時間は長くする方が良い。 秋の夜長とは言え、長時間の読書などはやめた方がよろしかろうと思う。 たくま癒やしの杜クリニック 浜田朋久 |